2023菓子卸MD特集 日本アクセス

売場の横ぐしとなる商品提案


 大手食品総合卸業㈱日本アクセスの本年度上半期連結業績(2023年4月~同年9月)は、売上高約1兆1928億円(前年同期比6.9%増)、営業利益約163億円(同比26.8%増)、経常利益約172億円(同比31.3%増)と増収増益。

 菓子部門にあっても、前年同期比で8.7%増と堅調に推移。その要因は価格の見直しや多数の売場拡張などにある。

 今後の売場企画については、「メーカー・卸・小売の3者での協力体制が重要」としたうえで、「相互の明確な情報共有と連携力を強化するとともに、常に消費者目線をもって売場の横ぐしとなるような商品提案を行い、消費者に最適なラインアップを提供する。また、地域性を捉え、売場を超えた“クロスMD”を積極的に展開することで、市場シェアの拡大を目指す」としている。

 商品企画については、

 「“月イチ企画”と称して、その月に合わせた季節感を演出する商品提案を行っている」。トレンドの移り変わりが早い売場への対応は「グループ企業のドルチェが商品開発を強化しており、協業することでグループ全体の底上げを図っている」と商品開発・提案の重要性を説明した。

 年末年始に向けた商戦については、「年末年始にこだわり過ぎずに、食品総合卸の強みを生かし、カテゴリーを超えた食品メーカーとのコラボ商品や季節商品などの新商品を継続して投入する」としたほか、トレンドである健康志向商品やエコフレンドリー商品、更にはサステナビリティへの取組みについて言及した。


 注力販売商品は、㈱中村屋(新宿中村屋)製造の『ご褒美喫茶Special 甘熟王バナナミルクケーキ』(写真上右、1個入)。

 バナナフィリングをふんわりとしたボリュームのあるケーキ生地で包んだ半生菓子であるが、物流に強い日本アクセスの有利性を生かし、菓子売場だけではなく、日配売場へも販売場所を進化させた。

 専売商品としては、グループ企業エヌアイエスフーズサービスが企画し、ブルドックソース㈱とコラボしたソースの味わい深い『厚切りポテトチップ ソース味』(写真上左、36g)のほか、健康食品メーカー㈱医食同源ドットコムと共同開発したスライス椎茸のスナック『しいたけスナック うま塩味』(写真下右、70g)とネバネバ食材をスナックにした『オクラ&長芋スナック ウメ味』(写真下左、50g)など多数あるが、これらは自然派に多い素朴な味付けではなく、しっかりとした味付けで、売場を選ばずに活躍できる商品に完成させた。