【トップインタビュー】 ㈱関口 代表取締役社長 関口快太郎 氏 連載①

アフターコロナとお菓子業界の未来像

 お菓子問屋関口(栃木県鹿沼市)の躍進が止まらない。前期71期(2023年3月)の売上高は、過去最高となる235億円を突破。次の80周年の節目に向けた新たな歩みに弾みがついている。3年に及んだコロナ禍が明け、アフターコロナのニュースタンダードが模索される今、関口快太郎社長が描く新たなステージを聞く。

「値上げ」歓迎!お菓子は安過ぎ!!

 コロナ禍中の巣ごもり需要で、お菓子の消費は伸びた。その一方、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻後、小麦やパーム油に始まり、原油などエネルギー価格も高騰して生活を直撃した。一方、2020年の冬に始まった新型コロナ感染症がもたらした暗い世相は、5月の連休明け以降、明るさを取り返し始めたともいわれる。

 「確かに巣ごもり需要もあって、この間、お菓子の売上は伸長した。最近では人流も回復し始め、海外からの観光客も増えている。しかし、国内需要の将来の見通しでは、近年、大きな購買力を示してきた前期高齢者(65歳~74歳)が、さらに高齢化が進み、リタイアなどもあって、消費の牽引力が落ちる段階に入ってきている。また、かねてから心配されている少子化でも、コロナ禍中に出生率が低下したことを見ても、アフターコロナのマーケットは相当厳しいものになる、と考えています」と、関口社長は語る。今期の第1四半期は、前年比105%と好調な滑り出しだが、楽観はしていないという。

 「売上伸長の要因は、震災以降、粛々と続けてきた新規営業が実を結んできたことと、ウクライナ戦争の影響で原料や光熱費などが急激に高騰したことから、短期間にあらゆる商品が値上げされたことです。こうした値上げラッシュは、私の世代にとって未経験の事態です」

 不透明感が漂う経済状況だが、伸長を続ける関口の各支店が、それぞれの商圏を保ち努力を続けていけば、当面は「大丈夫」との自信も示した。

 7月は猛暑襲来で、各方面から「厳しい」との声があがる中、東北の牽引力を担う仙台支店は、前年比で110%の数字を叩き出した。値上げ影響は微塵も感じられない。

 

値上げは怖い! だから「プロ」の力を

 「この値上げラッシュで、消費者が“馴れたという見方がある一方、お菓子業界に関わる者としては、お菓子の価格が“本来あるべきところから、物凄く低く”見られていたのだと改めて感じた。これだけ値上がりをしても、消費者が価格を気にせず購入してくださる現実から、お菓子の価値と価格が、マッチしていなかったのだと、私は見ています」

 商品によっては消費者が「?」を突き付けるものがある一方、価値が認められる商品が多かった。その証左が、売上の伸長となって表れているというのである。

 「全体としては、まだまだお菓子は安い。ここは、自信を持って価格を上げた方がよいと私は思います。確かに、メーカーさんや商品によっては、厳しい判定を下される現実もあるものの、そこをサポートするのが、我々卸の提案や企画の力だと思っています。プロフェッショナルとしての、我々の力も同時に試される時だと…」 (続く)

■株式会社 関口の売上推移と直近の歩み

2019年3月(第67期)223億円

2020年3月(第68期)218億円

2021年3月(第69期)215億円

2022年3月(第70期)225億円

2023年3月(第71期)235億円(過去最高)

2024年3月(第72期)250億円(目標)

 

2014年3月 26年ぶりに200億円突破

2016年2月 ㈱外松から一般卸事業を引き継ぎ、松本支店開設

2018年2月 千葉支店開設

2019年6月 仙台南センターを開設

11月 あんドーナツ製造の本橋製菓㈱を子会社として設立

2020年2月 下野運輸㈱を子会社に

 4月 長野支店を松本支店に統合

 8月 冷菓事業から撤退

2021年9月 青森黒石センター開設

11月 郡山支店を移転し拡大

11月 フルーツサンド一乃屋(㈱和楽製菓)を栃木県佐野市にオープン

2022年4月 RPA導入開始

2023年5月 札幌営業所を立ち上げ。9月に事務所開設

※取扱いの拡大から、2024年1月に千葉支店を移転予定。

また、仙台支店と松本支店、秋田支店の拡張移転を計画中