『おいしいオートミール』シリーズ 日清シスコ

ごはんの形と食感を実現

 日清シスコは、『おいしいオートミール』シリーズから、食感と形を本物のごはんに近づけた『おいしいオートミール 新ごはん』を9月25日に発売。これに先立ち、記者発表&先行試食会を代官山のT-SITE GARDEN GALLERY(東京都渋谷区)で9月20日に開催した。浅井雅司社長は、「オートミールの概念を覆すくらいの自信がある」と胸を張った。

 『おいしいオートミール 新ごはん』のコンセプトは、“オートミールなのに、ごはんのような見た目ともちもち食感”。同社独自のシリアル製造技術を駆使して、粉末にしたオートミールをお米のような丸みを帯びた形に加工。水と一緒にレンジで加熱するだけで、本物のごはんのようにもちもちとした食感が楽しめる。

 「シリアルは甘いものが多く、午前中に食べられることが多いが、甘すぎると連食性には欠ける。甘くないオートミールで、昼食や夕食などの朝以外の時間でも食べられるシリアルの需要を掘り起こしたい」(浅井社長=写真右)という思いから、開発が始まった。

 マーケティング部第3グループの篠原鎮麻ブランドマネージャー(写真左)によると、オートミールは感染症拡大による健康意識の高まりと家ナカ調理需要により、「栄養価の高さ」「アレンジの幅広さ」「ごはんの代わりにする“米化”」が支持され、2022年は2019年比で1234%アップと急激に伸びた。

 ただ近年は「食感や味が苦手」「穀物独特の風味が嫌」「レシピが思い浮かばない」などと食べ飽きてしまう人も出てきており、伸び率が鈍化している。こうした不満を解消すべく、新製品では「従来のオートミールの米化を深掘りし、“圧倒的米化”を追求した」(篠原氏)と自信を見せる。

 通常のオートミールのプレーンタイプとほとんど変わらない栄養素を実現しており、1食(30g)で119キロカロリー、白米ごはん1杯(150g)と比較して低糖質、食物繊維たっぷりで、たんぱく質入り。粉末にしてから加工しているので熱が加えられており、独特なニオイがない。オススメの食べ方は“卵かけごはん”だという。

 

 パッケージは黒地に“卵かけごはん”の写真を掲載し、バックに立ち込める湯気が品質感、美味しさ感を醸し出している。「シリアルの売場でインパクトのあるデザインを目指し、冷凍食品、チルド商品のパッケージや炊飯器などのCMを参考にした」(篠原氏)というだけあって、かなり目を引くデザインだ。

 プロモーションも大々的に展開。9月末から11月末にかけて全国約20カ所でキッチンカーを走らせるとともに、サンプリングを全国で約3万人に実施。「とにかく実食してもらうことを徹底」(篠原氏)する。

 試食会では、エプロンをした浅井社長が、卵かけごはんの素を使った試食品を自ら記者らに配り、感想を求めてマイクを向ける一幕もあった。

 発表会では、SNS総フォロワー数350万人超のダイエットインフルエンサー「なるねぇ」さん(写真中央)がゲストとして登壇。同製品で作った穴きゅう巻きを食べて「めちゃくちゃ美味しい! オートミールでお寿司が作れるなんて…もちもちしているから、噛むのが楽しい」と驚いていた。

 『おいしいオートミール』シリーズは、この『新ごはん』(180g)に加え、パン(バゲット)に近づけた『新パン』(150g)、フレーク型に加工した『新フレーク』(240g)の3品展開(NPP)で、“新しい主食”として提案していく。

 浅井社長は「オートミールは、数年前から“米化”がトレンドとなって多くのメディアで取り上げられ、女性を中心に市場が急拡大してきた。今回の商品で、オートミール・ブームを再燃させたい」と意気込む。