関口 秋季見本市展示会(東北+北海道)

あくまでベースはメーカー&商品

 広域問屋関口(関口快太郎社長)の東北5支店と、9月から活動を開始した北海道営業所の秋季展示会が9月20日、仙台市内の「産業見本市会館サンフェスタ」で開催された。8月23日の本社分に次ぐ、秋冬の需要期に向けたスタートである。メーカー出展の124社は過去最多レベル。新規出展メーカーも13社を数え、東北各エリアから足を運んだ200社400余名の来場者が、終日、熱気あふれる商談と情報収集を繰り広げた。

左より、浦山広一郡山支店長、菊地淳一青森黒石センター長兼営業部長、齋藤純一山形支店長、石塚金浩秋田支店長、関口大二郎専務、関口快太郎社長、大野周男常務兼仙台支店長、清野幹夫顧問、古山雅美盛岡支店長、村田博康札幌営業所所長

 広いサンフェスタの会場が手狭に感じた。124社のメーカーブース、初出展の13社のブースのコーナーや、スポット商品コーナーでは初出展の18社の特徴ある商品ブースなどが、会場いっぱいに、整然と展開されていた。

 さらには東北5支店、本社管轄の関東の各支店、青森と北海道のセンターと営業所が、選りすぐった地場メーカー商品をアピールする17のブース(計695品)は見飽きない。ことに、新たに加わった北海道は、3ブースを使い圧巻の109品を展示した。

 また、関口チョイスの特選菓子や味にこだわった米菓、ギフトの提案4ブース、全流協とJCCのPB群の4ブースもあり、それぞれが風土や伝統、鋭い提案要素を帯びた商品群で満たされており、改めてお菓子の世界の大きさ&広さを感じさせた。

 「今回も細かな改善箇所はあるものの、関口のスタンスである“メーカーベースで構成された点は、非常に良かったと感じている。提案も大事でしょうが、ウチはコンセプトではなく、あくまで“商品でありメーカーさんあっての関口”という原点を、改めて強く押し出せた」と、関口快太郎社長は、展示会場の賑わいの中で語った。

 出展メーカーも増えたが、セールスの人員も増えている。コロナ禍のトンネルを抜け、メーカーとしても売り込みに力が入っているのだろう。招待の来場者は200社、400余名が駆けつけた。

 「来場するお客さんは新商品ばかりでなくどんな商品があるのか”と、鵜の目鷹の目で情報を仕入れに来られる。その点で、124社という過去最多レベルの出展が叶ったことは本当に良かった」と、続けた。13社を数える新規出展のメーカーを会場入り口に固め、各社のブースに〝初出展〟の赤いプレートを掲げて目立たせた。これは以前から行ってきたメーカーへの配慮だが、来場者により分かりやすい形で13社を纏めたのは大きな改善ポイントである。

 「以前は通常のメーカーブース内に散らして配置していたが、メーカー数が多いので、お客さんが回ってくるのが少なかった、という声を聞いた。多くのメーカーに埋もれていたわけです。今回は、せっかく出展してくれた新規メーカーさんが、しっかり目立つよう、まとめて入口近くに配置することにしました」

 

広域問屋関口の商圏の広がりを示す関東甲信から東北、北海道(写真)の

1都1道13県の名産や地場の商品を17のブースで展開

関口の“活力”

 関口の展示会は、情報の仕入れと商品の仕入れがその場でできる、昔ながらの“手売りスタイル。メーカーは自社のこだわりや製品特性を伝え、サンプルを渡す。採用の拡大を図りたいから、自然、売り込みに力が入るのである。

 猛暑続きだった8月が終わり、9月に入っても残暑は緩まず、秋のスタートは厳しいようだ。

 「今年の東北の残暑はことに厳しく、展示会の会場前の挨拶では、やがては涼しくなるので、それに備えて準備してくださいと伝えた。ウチでは、特に季節で商品を分けてはいないので、基本というか原点に返って、商品をキチンと紹介すること、そのためにお客さんをシッカリ回る営業活動を進めています。そこがウチの、大手さんとの差別化だと思っています」と、関口社長は語る。

 ここ最近、関口では新しいスタッフが増えている。そのため、関口の会社としての特徴や、毛細血管に例える関口スピリットの教化を、研修などを通して積極的に進めてきたという。

 「コロナ禍の3年間はズームやメールなどが主になり、対面で行えない分、お客さんやメーカーさんとの情報交換なども、薄くなっていました。コロナも落ち着き、ここへ来て世の中も少しずつ変化してきて、メーカーさんとのやり取りなども、対面が復活してきた。本社は本社、支店は支店でシッカリやりだしています。ようやく、元の在り方に立ち戻ってきたな、と感じていますね」

 事務的にはズームやメールでの交渉は、行ったり来たりの移動もなく、手間の面で、楽なことは確かだが、

 「やはり商談や交渉事は、キチンと面と向かって、言葉のニュアンスなどから、ニーズを感じ取りながら進めるもの。ここが大手さんとウチの差別化のポイントで、大手さんがやらないことや、できないことをやっていくのが関口です。ここへは専務も入って、ようやく“昔の関口が戻ってきたな、と感じています」と、会場の活気の中で関口社長は、力を込めた。