2023チョコレート特集号 平塚製菓

東京生まれのカカオで作るチョコをリニューアル

 「お菓子の幸せなひとときの創造」を経営理念に現在、OEMのチョコレートをはじめ、焼き菓子やウエハースを製造・販売する同社は、創業122年の老舗だ。今年7月の決算では前年比136.2%の大幅増の売上高で、新型コロナウイルス感染症流行真っ只中の2020年6月に竣工した千葉・香取工場の効果が、ここに来てようやく表れたようだ。

 平塚正幸社長の「食べてみたいから、育てた」というシンプルな発想から大きな夢へと発展した「東京カカオプロジェクト」。東京・小笠原で10年以上の歳月をかけ、土壌を作り、木を育て、実を収穫し、発酵から製品化までを一貫して手掛けたSoil to bar chocolateである「東京カカオ」は、大幅なリニューアルを実施して今年11月(来年2月までの期間限定)に発売する。

 『東京カカオ2023』(内容量44g、1800円、写真上)は、小笠原産カカオの力強くフルーティーな香りを残しつつ、今回はチョコレート自体の味にこだわり、ガーナ産カカオをブレンドして軽いテイストに仕上げた。シンプルな原材料を使用し、カカオマス58%(うち29%が小笠原産カカオマス)のダークチョコレートを食べやすいサイズの薄型にして、1枚1枚を個包装にして丁寧に仕上げたもの。

 『カカオウエハース』(写真下)は、サクサクッと香ばしいウエハースに、クリームではなく小笠原産カカオのダークチョコレートをサンドしたものとなっている。

 「製品の値上げ申請は実施しているが、なかなか100%とは行かない。それでも付加価値を上げた製品づくりが使命。本年中はOEM中心に集中したい」(平塚社長)と語った。

 ちなみに、同社と大東カカオ、ネスレ日本との3社がコラボした『ネスレ キットカット 東京カカオ』を11月に発売する予定だ。