2023チョコレート特集号 チロルチョコ

20周年の『きなこもち』推し

 新企画・新提案を加速させるべく、2月に竣工したベトナム新工場が順調に稼働中の同社。2023AWのイチ推しは、発売20周年を迎えた『きなこもち』をはじめとする“もち”シリーズだ。感謝を込めた2つのキャンペーンをはじめ、テーマソングの制作や多数のコラボを展開する。

 キャンペーンのひとつは、『きなこもち』(写真上)など対象商品の購入時にもらうレシートを撮ってLINEで応募すると、最大2万円分のデジタルギフトが総勢2220名に当たるもの。コースは、1000円分(2000名)、5000円分(200名)、2万円分(20名)の3種を用意し、ポイントごとに選べる。2024年5月20日まで開催。

 もうひとつは、X(旧Twitter)で応募すると“着るもちくんクッション”(写真中)が抽選で毎日1名に当たるキャンペーンだ。10月2日から21日までの20日間の間に毎日投稿されるボストをリボストすると応募が完了する。

 テーマソングは業界初(⁉)といえるもので、「むじゃきなきもち」と題した曲を脱力系2.5次元アーティストの長瀬有花が歌う。最新ダンスミュージックをバックに、「きなこもち」のユルカワな世界観を演出した完成度の高い作り込みで、アニメーションのMVをYouTubeで、著名インフルエンサーによる振付をTikTokで展開中だ。

 これらコンテンツ制作について松尾裕二社長は、「以前から10代、20代といった若年層にアピールする施策として考えていた」と話す。

 コラボについては、フジパンとの『きなこもちぱん』をはじめ、『きなこもちクッキー』(フルタ製菓)、『チロルもちもちきなこもち』『チロルきなこもち風クリームサンド』(モントワール)など、バラエティ豊かな展開で20周年を盛り上げる。

 他方、子どもたちのファンを深耕すべく、『プチロル』(写真下)をリブランディング。宇宙から来た特命部隊プチロルズというキャラクターを設定し、パッケージを刷新。既存ブランドの新しい見せ方を提案する。その一方で「お菓子の持つ楽しさを忘れてはいけない」と松尾社長。ベトナム工場の年間供給量が見えてきた中、新製品の開発にも意欲をみせる。