【問屋界】トップインタビュー 株式会社グローカル・ユナイテッド・HD 高木邦光社長

直撃!なぜ東京にオフィスを開設したのか?(連載第3回)

 丸高商会(茨城県石岡市)とサクラバ(秋田県北秋田市)が2017年に経営統合し、誕生したグローカル・ユナイテッド・ホールディングス(高木邦光社長、以下「GU」)は、1都8県に販売エリアを持つ丸高商会と、東北・北海道エリアを中心に販売網を持つサクラバが、地場問屋としての強みを生かし着実に成長している。その躍進の源泉はフットワークと提案力。独自の幅広い品揃えに加え、顧客に合わせた最適な売場提案の「コンセプト」がそのキーである。これをさらに強化するため昨年11月、東京オフィスが千代田区神田に開設された。新オフィスについて高木社長は、「当社のコンセプトを推進するための拠点」と語る。

高木社長(左はじ)と東京オフィスのスタッフたち

 –東京にオフィスを新設するメリットと目的を教えてください。

 高木邦光社長(以下「高木」) 現時点ではオリジナル商品の開発がメイン業務です。メーカー様の本社や事務所が東京に集中しているので、商品開発の拠点を東京の中心部である神田に置くのがベストと判断しました。ネットワーク技術が発達した現代においては、わざわざ東京に拠点を置かなくても何とかなりそうですが、やはりリアルに勝るものはありません。メーカー様とのリアル・コミュニケーションは、開発プロセスの飛躍的なスピードアップにつながると実感しています。これは余談ですが、コロナ禍から在宅勤務が定着して、この神田辺りでも空きオフィスが増えて、賃料が非常にリーズナブルになっているのです。神田という地の利を、時の利で得たといえますね (笑)

 –東京オフィスのスタッフ構成は?

 高木 丸高商会とサクラバ両社から出向した6名が常駐しています。

 –コストプッシュインフレでお菓子の値上げが続いていますが、いまどのような商品企画が求められているとお考えですか?

 高木 いま菓子卸として重視しているのは、メーカー様が持っている“ロングテール商品”。これを市場に送り出すことに力を注いでいます。いわゆるイノベーションは、ゼロから創り出すものではなく、既存の商品とサービスを掛け合わせることで起こすものだと私は考えるからです。既存品の中で“良いモノ”を見つけ出し、別の良いモノや良いコトを組み合わせると、想像を超える新たな魅力を持った商品に仕上がることがあります。そのような仕掛け、つまり、こうしたイノベーションをいかに多く取り揃え、お客様ごとに最適化した売場を提案していくのか、そこでGUは勝負したいのです。

 –今日、メーカーの値上げが続いていることから、消費者の節約志向が高まっていると聞きます。小売の価格競争はさらに激化しているのでは?

 高木 小売業にとって価格は大きな競争ポイントなので、より安い商品を求める動きはあります。とりわけNBは露出が多いという性質上、商品での差別化は難しく、ついつい価格で、ということになりやすい。小売業が他店と差別化する要素として、差別化アイテムとしてのPBを重視するようになっています。こうした事情からGUでもオリジナル商品の開発に注力しているのです。価格競争だけでは身が保ちませんからね(笑)

 –お菓子問屋の利幅の薄さで価格競争を続けては不毛な消耗戦になりかねません。

 高木 また、今後メーカー樣の値上げは続いていきます。これは私の持論ですが、日本のお菓子はほぼ100円から300円で買えるので、決して高価なものではありません。その品質の高さからすれば、むしろ「安過ぎる」くらいです。こうした現状下で、お菓子本来の価値で勝負していくためにも、私どもGUはこの東京オフィスで、メーカー様との協業で魅力ある新商品の開発、ひいては新価値の創造に取り組んで参りたいと強く思っています。

写真・東京オフィスのビル外観