『柿の種』に新たな魅力 栗山米菓

 『ばかうけ』『星たべよ』などのブランド展開で、注目を集める同社だが、昨今トレンドになっている健康志向系の製品開発でも、米菓界ではパイオニア的存在といってよいだろう。

 近年の開発製品としては、2012年の発売でお菓子業界に話題をまいたタニタ食堂監修『間食健美』シリーズ(現在3アイテム)や、2020年秋に発売した「楽しく、たべて、健康に」をコンセプトとする『おいしい玄米せんべい』(同2アイテム)などがある。

 この『おいしい玄米せんべい』は、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授監修の「脳を鍛えるドリル」が、個装紙にデザインされており、国産米100%の玄米生地が持つ健康素材としての魅力を、「楽しく&おいしく」提供するという製品である。また、玄米100%の生地を開発するに当たり、同社では品質の劣化のもととなる玄米の表皮に含まれる油脂を除く、独自技術(特許製法)でこれを解決し、製品化に成功したものである。

 

 

 

 同社のこれら健康訴求系米菓の開発路線上に、また新たな製品が加わった。

 2月20日から全国SMなどで順次発売中の『まるっと玄米柿の種』(写真、4袋88g、NPP=参考小売価格250円・税別)である。今どきの脱プラから、紙パッケージを採用し、キャッチコピーで“玄米でこんなにおいしい柿の種ができましたと謳い、国産玄米100%使用を大きくアピール。また、玄米生地には、先の『おいしい玄米せんべい』同様に、食感が楽しめるように、粒感を残したものを使用している。

 柿の種そのものは、現在は大柿と呼ばれる4センチほどの、本来のサイズ。今は主流である小粒で、中空のクリスピーなタイプではなく、薄手でパリッとした歯応えが特徴だ。

 味付けの醤油だれはやや甘みを持ち、芳醇な味わいの中に唐辛子がピリッと効いている。噛み締めながら、じわっと玄米生地の美味しさを楽しむこの作りには、新しい魅力がある。