菓子卸MD特集 木村

「九州」軸の商品提案

 2023年に創業70周年を迎える同社は、「卸売」「製造」「物流」の3事業をグループ内で展開する「食の総合商社」だ。強みは、それらの連携による相乗効果を発揮しやすい点にある。5月にはそれぞれの従業員の代表が集まって進めたプロジェクトにて、新たなグループ企業理念/行動指針を策定。連携をさらに深化させている。

 6月28日に新社長に就任した木村寿孝氏は、①グループ企業理念/行動指針をグループ計1400名の従業員に徹底して浸透させる②お得意様/お取引先と一緒になって、双方にとってよい取り組みを1つでも多く増やす③その結果としてグループ総計400億円を2025年度をめどに達成するという3点の目標を掲げる。

 木村氏は「九州全体で考えると、コロナ禍も相まって人口が減少している地域が多い。事業運営では売上/利益の減少は避けられない状況にある」と述べた上で、事業のあり方、進め方を「変化」させたいと考えている。

 そうした中、ここ3年間で重点的に取り組んでいるのが、得意先の状況やニーズを踏まえた商品発掘/MD企画案等の「提案できる営業」の実践力強化だ。特に注力してきたのが「九州」に軸を置いた価格・価値訴求のできる商品とMD提案である。

 「お菓子の嗜好性を捉えると価値訴求のニーズがある。地域の魅力を掘り起こすような、消費者の『豊かな暮らし』に繋がる提案ができるか。それが『卸売』の担うべき役割だと思う」(同氏)。