東あられ本舗『釜処 桝恵美』シリーズ、より美味しく、より健康に! 原点に返った意欲作

 創業112年の老舗、東あられ本舗(都内墨田区)が、素材と製法に徹底的にこだわったおかきの意欲作『釜処 桝恵美』シリーズを開発。同社を代表する『東おかき』の後継アイテムとして、12月末に発売予定だ。

 創業者の小林桝恵美氏の名を冠する同シリーズは、「より美味しく、より健康に!」という桝恵美氏のものづくりのスピリットに立ち返り、それを現代の技術で磨き上げたものだと5代目社長の小林宏太郎氏は語る。

 具体的には、同社の契約農家である山形県東村山郡中山町の特別栽培米のもち米の使用は従来通りだが、今回は東洋ライスの金芽米製法を採用しているのがポイントだ。これは「均圧精米法」と「BG無洗米加工」という2つの精米技術をひとつにしたもので、金芽=胚芽の基底部と亜糊紛層=米粒の全表層部の旨み層を残した、栄養と美味しさを両立させたお米になる。

 お米そのものにも非常にこだわっている。手間ひまかけて減農薬・減肥料で同社専用につくったもち米である。用意される5種類のフレーバーに使われる素材も同様だ。

宏太郎社長イチオシの『豆おかき』(70g、500円・税抜)は、香り豊かな丹波黒豆を使用。そのほか金胡麻と藻塩の組み合わせの『胡麻おかき』、2種類のさくらえびを使った『海老おかき』、北海道日高産昆布と吉野産青海苔を使った『潮おかき』、五分挽きの玄米使用の『玄米おかき』など、滋味深い贅沢な素材を厳選した。

宏太郎社長は、それらの素材の魅力を余すことなく引き出すために、アミノ酸などの調味料は一切抜いたと言うが、決して添加物などを否定するわけではないとも付け加えた。

実際に食してみると、お米の豊かな香りと素材それぞれの醸し出す味わいが際立っている。野性味を残した自然な感じとでもいおうか。歯応えのあるザクっとした食感で、素材そのもの旨みが生き生きと口の中に広がっていく。満足度の高い食後感である。

 「まずは店舗に専用コーナーをつくってから、ご進物用としての展開も考えている」(宏太郎社長)。

新しい食べ方の追求にも余念がない。8月には食べ歩きもできるお手軽アイテムとして、『おせんとあんこ』(200円・同)を発売。ツブツブを残した薄焼きのおせんべい2枚に、北海道十勝産のむき餡(30g)の袋が付帯する。醤油味のおせんべいに餡を乗せる、あるいは挟んで食べるというユニークな製品である。

東あられ本舗は東京の下町、両国で1910年に創業。温故知新、不易流行を矜持に、東日本で名実共にナンバーワンの「あられ屋」になることをめざす。150周年に向けた新しい取り組みを意欲的に展開中だ。