大一製菓 『ピーチョコ』は湘南の爽やかな風に乗る

 創業1958年。現社長の一杉直樹氏の祖父、和一氏がマシュマロの製造を開始したのが始まりだ。やがて和一氏は当時はまだまだ高級品で、庶民にはなかなか手の届かなかったチョコレートの製造に挑む。試行錯誤を繰り返した1961年、その努力が結実する。今では当たり前となったチョコレートとピーナッツを混ぜ合わせた新しいお菓子の誕生だ。それが『ピーチョコ』(写真上、商標登録)であり、世の中に初めてその美味しさを問うたのである。

 それ以来、和一氏の夢は「美味しくて高品質、そして何よりも手ごろな価格のチョコレートを少しでも多くの人々に届けたい…」となり、同社をチョコレート専業メーカーへと変える大きな力ともなったのだ。

 同社のチョコレートは商品構成も豊富。中でもコロナ禍において好調なのが大袋タイプ(内容量1kg)の業務用チョコレート。大型スーパーを中心に今も大いに売れている。また『くちどけショコラ』シリーズも好調を維持。さらに『カカオ70%チョコレート』や『糖質50%オフミルクチョコレート』も、昨今の健康志向の高さを受けて人気となっている。この2アイテムはまさに、同社の技術力の高さを裏付けている。

 

 一杉社長は茅ヶ崎出身であり、生粋の元・湘南ボーイだ。地元への愛は昔から強い。そこで地元との絆をより深めようと、現在は湘南の爽やかなイメージを同社のブランド力向上に結びつける試みを展開中だ。その結実が今夏に上市した新製品『湘南クランチチョコレート』(写真中)と『湘南パフがおいしいチョコレート』(写真下)である。特に前者は海の青さと白い砂浜をイメージしたパッケージが爽やか。表には新しい企業ブランド『湘南チョコ工房』のマークがつく。

 「品質本位の美味しいチョコレートづくりへのこだわりは変わることはない」と未来志向の一杉社長は力強くそう話す。