チロルチョコ 面を変えて楽しさ提供

 「『あなた』を笑顔にする」というミッションを掲げ、お菓子の楽しさを提供すべく新製品でボリュームを出すことに注力してきた同社。3月には今年60周年を迎えた『チロルチョコ〈ミルクヌガー〉』を記念し、『同パック』(写真上)を3個増量で発売。値上げトレンドのなかでお得感もあってか、全体的に昨年以上の売上で推移する。

 とはいえ「本格的な勝負は秋冬からだ」と松尾裕二社長。最需要期に向け、大袋の切り替えや期間限定品の発売、大型キャンペーンで売場を盛り上げる。

 

 目新しさをウリとする大袋は、春夏発売の『同北海道ミルク クッキー&クリーム』に替えて、チェーン限定からNBとして全国展開する『同ベルギーチョコクランチ』を投入。『同ミルクヌガーパック』『同バラエティパック』(写真中)『同ミニミルク』は継続しつつ、面を変えて楽しさを提供する。

 昨年の秋冬から期間限定発売となった切り札の『きなこもち〈袋〉』は、今年も登場。シーズンに合わせて山をつくる。

 

 キャンペーンは2系統。『同ミルクヌガーパック』『同バラエティパック』を購入しレシートを撮ってLINEで応募すると、抽選で1000名に5000円分のAmazonギフト券が当たるものと、『同冬のバラエティパック』(写真下)の購入者を対象に、チロル特製デザインのオリジナルスノードームが1000名に当たるものを用意(応募券で郵送)。

 後者のプレゼントについて松尾社長は「アイディアはあったがやるつもりはなかった。しかし第1回のオンラインイベントでファンからの要望があり、現物をつくることにした」と話す。

 同社では昨年から開発部の中にマーケティング室を設置。それ以降、広報活動やSNSによるキャンペーンなどをより活発化させている。

 「業界は違うが、ビール製造メーカー『株式会社ヤッホーブルーイング』みたいに、ファンと濃密なコミュニケーションをとっていて、社員もイキイキ働いているところが理想」と松尾社長。売場以外の露出にも積極的だ。