Webサイトで情報発信 ミヨシ油脂

ニーズに即座の対応!

 ミヨシ油脂(都内葛飾区、三木逸郎社長)は、新事業や商品開発に役立つ情報を発信するWebサイト『ミヨシ未来プラットフォーム』を6月28日から開設。現在、食品事業から『ネクストフードラボ』『ベーキングスタジオ』『botanova』の3サイトを公開している。

 『ミヨシ未来プラットフォーム』は、これからの食や生活を支える人に役立つさまざまなサイトが集まっている。現在公開中の3つのサイトでは、プラントベース食のレシピをはじめ、有名ベーカリーのシェフなどによるパンのレシピ、食に関する最新技術情報などを提供。問い合わせやサンプル請求、レシピのダウンロードも可能だ。

 サイトを立ち上げた動機について、戦略企画本部マーケティング部マーケティング課課長代理の高橋芳枝氏と係長の小川優子氏は、次のように説明する。

 「コロナになる前からの話だが、代理店と一緒に営業して回る機会が減り、お客さまとの関係性が希薄になりがちだった。そこで、お客さまの声をダイレクトに聞きたいという思いが出発点となり、“デジタルで発信する営業部隊という位置付けで開設した」

 『ネクストフードラボ』は、これからの食を創る人のための先端情報とレシピを発信する食品総合サイト。各分野で活躍しているシェフが考案したプラントベース食品のレシピ、消費者アンケートや購買データの分析、国内外のトレンド情報などを紹介している。

 「主なターゲットは、食品メーカーの開発者。これから起こり得る課題に対して、お客さまと一緒に考えていきたい」と高橋氏は語る。

 『ベーキングスタジオ』は、ベーカリーを応援する『MIYOSHI no KIMOCHI』の後継サイト。ターゲットをリテイルベーカリーだけでなくパンメーカー、菓子メーカー、町の洋菓子店にまで広げた。有名ベーカリーシェフ考案のレシピや製パン・製菓のノウハウ、利用者からの質問にベーカリーシェフが答えるコーナーなど、製パン・製菓に携わる人を応援するコンテンツを提供している。

 『botanova』は、食用油脂ブランド『botanova』に特化したサイトで、これからプラントベースを始めようとしているメーカーや飲食店が対象。外食企業の採用事例やレシピを発信しており、食品を美味しくする秘訣や、メニュー開発をしたシェフの声を紹介している。

 更新は、各サイトとも週1回程度。レシピの考案は、社内の研究員をはじめ、店舗のシェフにも依頼している。「更新に追われている」と高橋、小川両氏は笑うが、「外部の方のレシピは、自社では考えつかないような製法で、とても参考になる」と新たな発見もあるようだ。

 サイトは公開したばかりだが、反応は上々だという。

 「問い合わせやレシピのダウンロード数から、お客さまのニーズをすぐにキャッチすることができる。要望やサンプル請求に即座に対応でき、商談に繋がるスピードも上がった。リピートして下さっている方も多い。これをもっともっとたくさんの方に閲覧していただけるようにしていきたい」と気を引き締める。メルマガも配信しており、こちらの登録数も伸ばしていきたいところだ。

 今後は、「SNSでの展開や動画の公開、デジタルと並行したリアルイベントなどで、お客さまとの関係性をもっと強くしていきたい」と意欲的だ。

 「当社には製菓・製パン作りのプロもいる。どんな小さなことでもいいので、悩みや相談があればサイトを通じてお寄せいただきたい。サイトのファンになって、どんどん活用してほしい」と二人は口を揃える。

 年内には、油化事業のサイトも公開予定で、同社では食品・油化両事業におけるデジタルマーケティングを強化していく。