岩塚製菓、認知度0%の米菓を若者に!

 日本のお米100%使用にこだわる同社から、2018年に発売された『バンザイ山椒』。小粒のあられに山椒風味の組み合わせもさることながら、同社の製品群とは一線を画す「ゆるかわイラスト」のパッケージもインパクトを与えた。SNSで話題となり、山椒ブームの後押しを受けてコアなファンを獲得。定番化への道を着実に歩みつつある。

 そんな同製品の派生モデル『バンザイちりめん山椒』(NPP参考小売価格260円前後)が、9月12日から関西エリアで期間限定発売された。

そのPRとして、1月から近畿大学(東大阪市)経営学部経営学科の布施匡章教授のゼミと共同で、「米菓を若者に!近畿大学ゼミ生×バンザイ山椒コラボプロジェクト」を実施。若者の米菓消費が減少傾向にあることに危機感を抱いた同社が「学生目線の発想でPRしてほしい」と同ゼミに依頼したのがはじまりである。

 このコラボプロジェクトを通じてわかったのは、SNSで話題になったにもかかわらず同製品のゼミ内(3年生20人に調査)の認知度が0%ということだった。そこでゼミ生たちはその魅力をもっと多くの若者に知ってほしいと考えた。着目したのは「パッケージのかわいさ」である。

 そのためにキャンパス内でのサンプリングイベントやSNSでの発信を促すフォトスポットイベントを企画。学生たちの多くが活用するInstagramへの投稿や、同社(新潟県長岡市)に訪問した際の動画をYouTubeにアップし、その魅力を発信した。

 商品パッケージも近畿大学とのコラボということをアピールするため、同大学のイメージカラーである「近大ブルー」と呼ばれる青色を採用。個装にはゼミの学生の日常を表現したイラストを配し、統一感のある仕上がりとした。ちりめんと枝豆ペーストによって、ベースとなった『バンザイ山椒』よりもマイルドな仕上がりである。

 お米本来のうま味と風味を活かした米菓ならではの美味しさを届けることが同社のテーマだが、ここ数年は見せ方にもこだわった製品が目立つ。同社関係者によると、パッケージをリニューアルした製品が伸長するケースもあるという。消費者との接点をいかに増やすかが、市場拡大のポイントになりそうだ。

 同社北海道工場(千歳市)とJAびえいが運営するアンテナショップ「美瑛選菓」で共同開発したコラボ第2弾『ふわっとびえいのたまねぎ味』を9月19日から北海道地区で限定発売。

 ふんわりとした口どけの米粉スナック『ふわっと』に、美瑛産のたまねぎパウダーを生地に練り込むとともに、味付けにも施した。昼夜の大きな寒暖差によって甘みのあるたまねぎに育ったものを加工。ソフトな食感が、その旨みを凝縮したコク深さを際立たせている。

 35g・NPP参考小売価格150円前後。