令和元年東日本台風をきっかけに 湖池屋

 (一社)防災安全協会主催による「災害食大賞2022」において、湖池屋の『KOIKEYA LONG LIFE SNACK(6缶セット)』(写真)が、「パッケージデザイン賞」を受賞した。暮らしになじむデザインが評価された形だ。

 同品の開発背景には、2019(令和元)年に東日本に台風が直撃した際、その備えとしてスナック菓子を購入する層が多かったことや、同社がローリングストックとしてのスナック菓子の活用を目的に、板橋区や東京家政大学と連携・協力した取り組みが高く評価されたことが関わっている。災害食の価値のひとつとして「保存性」が求められることから、遮光性や酸素バリア性の高い缶入りとし、5年間の保存が可能になった。

 「食でくらしをゆたかに。」をテーマに、食を通じた社会貢献活動に取り組んでいる同社は、災害食もその活動の一環として強化するという。

 「お菓子だからこそ与えることができる機能面や情緒面における価値があり、湖池屋ならではの新たな食の形を創造し、提案していきたい」と同社担当者は語る。

 同品も災害食という機能性を持ちながら食べ慣れたポテトチップスの味わいと、日常にフィットするデザインで情緒面の価値を付加しているのが特徴である。特殊な容器による生産の都合上、同社オンラインショップと一部企業での年2回ほどの販売に限られるが、オンラインショップでは発売後数日で完売。高い評価と反響を得ている。

 また早稲田大学と防災を通した地域貢献活動に関する協定を締結し、災害備蓄用として同品の寄付を3月に実施したほか、今後はキャンプなどのアウトドア需要や缶形態ならではの可能性を深堀していくとしている。