林原 バイオの力で糖質の新しい未来をひらく

 お菓子作りに欠かせない糖質「トレハロース」を世界で初めて澱粉から大量生産することに成功した同社。食品素材の進化において同社が果たしてきた功績の大きさは計り知れないものがある。自然の恵みである微生物や酵素の力を活用し、食品開発に役立つ安全で安心な新素材の開発に余念がない。

 その一つが今年5月に販売を開始した『ナリンビッド』(写真)だ。独自の酵素技術で柑橘由来のナリンジンに、澱粉由来のグルコースを結合させた高水溶性味質改善素材。微量でキレのよい苦味が付与できるほか、柑橘の果汁感向上や食品の味質調整剤としても活用できる。

 その他にも低甘味糖質の『サンマルト』や接着力・被膜性・潤滑性に優れた水溶性多糖の『プルラン』、さらには砂糖に似た品位のある味質で、砂糖の結晶抑制にも効果的な水飴の『カップリングシュガー』のほか、『テトラップ』、『パノラップ』、『ハローデックス』などの素材が幅広く活躍している。

 同社はいまサステナビリティ方針の下で「研ぎ澄まされたバイオの力で独創的な新素材開発に挑戦し続ける企業」を掲げている。持続可能な食料システム構築に貢献する…。それが林原の未来に向けた合言葉だ。