虎屋文庫機関誌『和菓子』29号を発行、特集は「文学と菓子」

 虎屋文庫は、虎屋文庫機関誌『和菓子』29号を4月に発行した。和菓子に関連する論文や史料翻刻を中心とした学術雑誌で、1年に1回発行。今回の特集は「文学と菓子」。和菓子には、古典文学に想を得た銘を持つものが多くあり、また一方で、菓子の登場する文学作品も古今無数に存在する。そのような、互いに影響しあう「文学と菓子」をテーマにしている。B5版/118ページ・税込1000円(購入は通信販売のみ。送料実費)。

 【特集 文学と菓子】

「菓子を詠む漢詩・狂詩」(執筆者=杉下元明・海陽中等教育学校教諭)日本の漢詩・狂詩にどのような菓子が詠まれたかを紹介。

 「戯作者と菓子屋の広告-浅草雷神門内の船橋屋織江を事例として」(金子千種・中央大学杉並高等学校兼任講師)江戸の浅草雷門内にあった菓子屋・船橋屋織江の広告について考察。

 「漱石の菓子たち」(中井康行・大阪城南女子短期大学名誉教授)夏目漱石の作品中の菓子について、その文学的効果などを論じている。

 【和菓子研究】

 「弘前藩の御用菓子司について」(北上真生・前弘前市立博物館主査兼学芸員)。

 「史料紹介 歌川国麿『餅菓子はんじもの』」(森田環・虎屋文庫)。
 【史料翻刻】「虎屋の御用記録」「江戸名物詩(抄録)」。