村岡食品工業、『梅しば』の姉妹品で 通年化を狙い個売りも

 『梅しば』や『ごんじり』、近年は『玉こんにゃく』など、地元群馬県の農産品を原料に、独自な製品開発で知られる同社が、2月7日と3月7日に通年商品として次の2品を発売する。

 2月に先行する『あまずっぱい梅しば』(220g、参考小売価格500円・税別)は、2019年秋の発売だが、この度は個装紙にウサギやブタ、クマなどの可愛いイラストを施し、甘く口当たりの良い特徴で、通年のおやつ品として販売に注力する。また、3月発売する1粒売りの『あま梅』(同35円前後・税別)は、近年、素材菓子に力を入れているCVSのレジ前や、単価の安さからSMの駄菓子コーナーなどへの定着を狙う戦略製品だ。

 袋物の『あまずっぱい梅しば』は、看板製品の『梅しば』より塩分を控えて3%ととし、脂質0(ゼロ)、可食部のカロリーを20㌔カロリー(100gあたり)と表示。着色をしていない梅本来のナチュラルな緑色が醸す〝健康観〟も売り。

 2品ともに原料の梅は中国産で国内製造したもの。カリカリ梅の原料となる梅は同社の地元群馬県が主産地だが、ここ数年は天候不順による不作と、農家の高齢化により、収穫量の確保が厳しい。こうした事情から、国産梅は看板の『梅しば』優先という窮余の施策だ。

 「コロナ禍で国産を望む声は高くなっているが、カリカリ用の主産地である群馬の事情は厳しい。一方、CVSが素材菓子を強化する流れが継続するなかで今回は、年間を通して安定した需要が見込める〝甘い梅〟を切り口に注力する」(同社営業部)と、この春から夏場に向ける意欲を語る。