包装業界PR特集


世界に誇るニッポンのお菓子を支える!

パッケージの大きなチカラ①

 東京五輪の選手村でも話題になったように、日本のお菓子の美味しさは世界的にもよく知られているが、米菓やスナック菓子、飴・キャンデーなど、普段何気なく口にするお菓子は、丹精込めたそれぞれのメーカーの手によってもたらされる。それらが安心安全で「美味しく口に運ばれる」までには、さまざまなプロセスを経ている。中でも包装技術は重要だろう。近年の世界的な環境配慮に対する大きな意識の変化を背景に、包装資材そのものを変えようという動きも進んでいる。もちろん、石灰乾燥剤など品質保持剤の存在も欠かせない。そんな「包装の世界」の最前線を追う。


サステナブル革命めざすユニコーン

TBM

 日経2021年「NEXTユニコーン調査」において、推計企業価値1336億円で4位にランクインした同社。2011年の創業以来、先駆的な資源循環モデルの構築を加速させている。その主軸製品が炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合素材『LIMEX(ライメックス)』である。

 『LIMEX』の主原料である石灰石は国内で100%自給可能であり、石油由来プラスチックと比較してCO2の排出量を原材料調達段階で約50分の1に抑えられ、焼却時も約58%の削減が可能。しかもプラ・紙の代替製品を製造する際に使用する石油や水、森林資源など枯渇リスクの高い資源保全に貢献(製造時の水使用量は普通紙と比較して約97%削減)できる上に、供給安定性にも優れるため、価格変動も少ない。そうした特性が支持されて、羽田空港のショッピングバッグやBANDAI SPIRITSのプラモデルなど、すでに6000以上の企業や自治体が採用。世界40カ国以上で特許を取得している。

 また、複合素材にもかかわらず、紙に複数の材料を貼り合わせて積層したラミネート加工の印刷物と比べ、単一素材で設計された製品同様、容易に多様な再資源化可能性を担保している点にも注目したい(JAS規格:JAS-S1008の対象素材)。国内外の大手選別機メーカーと連携し、既存のリサイクル設備で『LIMEX』と汎用プラスチックを自動選別・抽出する検証を終え、事業者・消費者・自治体と連携したマテリアルリサイクルの取り組み実績が多数存在する。2022年秋には横須賀市に国内最大級のリサイクルプラントを竣工予定だ。

 菓子食品業界に向けては、自社の多賀城工場において真空成形グレードの『LIMEX Pellet』の生産をはじめ、『LIMEX Sheet 80µm』(写真)の量産販売を12月から開始。包装資材やラベルなど、新たな用途での導入・拡大をめざす。

紙でできることは紙で菓子包装で最先端をゆく

日本製紙

 同社の紙製バリア素材への取り組みは、基礎検討から数えると10年近く前。2017年10月に日本で初めて紙製バリア材『シールドプラス』の正式販売を開始した。再生可能な資源である“紙を基材としながら、酸素や水蒸気に対し優れたバリア性を持ち、内容物を保護して品質を維持。同時に内容物の香りを保持し、匂い漏れや匂い移りを抑える環境配慮型バリア素材だ。

 長年の販売実績は技術の信頼の証しともいえる。2019年3月には、食品軟包材として初めておせんべいの個包装に採用される。自然・健康を大切にする焼菓子製造・販売企業の長良園(岐阜県岐阜市)の『もっとやさしい鵜飼せんべい』だ。2019年といえば8月にネスレ日本が『キットカット』の外装を紙化する発表で話題を呼んだが、それ以前に個包装の紙化を実現したのだ。同年の日本パッケージングコンテスト(公益社団法人日本包装技術協会主催)で菓子包装部門を受賞した。

 無添加チョコレート専門店「Conche」(静岡県静岡市)では、2020年1月から『カカオ70%ブラックチョコレート』をはじめ、お菓子の個包装に使用している(写真)。

 同年10月に『シールドプラス』は『シールドプラスⅡ』へリニューアル。グラビア印刷に適応した片艶紙(白)をベース原紙に追加。バリア性の耐屈曲性を向上させて、ピロー袋やガゼット袋など、より多様な包装形態へ対応可能になった。

 加えて同社は2019年、フィルムなしでヒートシール性を付与した、紙だけでパッケージができる『ラミナ』も開発し、翌年製品化。リサイクル可能なので循環型社会に貢献できる。〝紙でできることは紙で。〟を合言葉に、「紙化ソリューション」を推進し、今後は包材のリサイクルにも積極的に取り組む。