【ロコパラ】 米菓工房 和(なごみ)

名前を体現するアットホームさ

米菓工房 和 工場直売店(栃木県宇都宮市)

売れ筋商品を手にする専務取締役の渡辺亮介さんと奥様で店長の裕子さん

地産地消の取り組みも

 

 JR宇都宮駅から車で北上すること約25分。日光街道からわき道に入って少し進んだところに『米菓工房 和 工場直売店』はある。生活道路に面したそこは、目的がなければほとんど通ることがないような場所だ。土産物屋としてはもちろんのこと、商売を考えれば決していい立地条件とはいえない。にもかかわらず、同店は40年以上この地に根付いてる。

 その理由はいろいろあるが、本体である同社製品の愛好家が多いことに加え、中元、歳暮など贈答の時期に行われる年に4回の売り出しセール、12月に開催される『煎餅祭り』などのイベントも、地域から愛される要因になっているだろう。

 「煎餅の詰め放題(有料)をはじめ、弊社でついたお餅をお汁粉にして配布(無料)している。ほかに子供向けの煎餅の手焼き体験やゲームを催したり、普段よりも特価で商品を販売している」と専務の渡辺さんは『煎餅祭り』について話す。20年以上続けているこのイベントだが、昨年はコロナ禍で中止となった。今年も開催は難しいと渡辺さんはいう。あまりにも密になるからだ。一昨年は約3200名が来場している。

 「お客さまからは『いつやるの?』『今年は?』という声をいただいている。やめたくてもやめられない」と、困ったのと似た表情で渡辺さんは笑う。イベントを通じて同店のことを知る人も多いようだ。

 それらに加え、栃木県は米菓の消費量が日本一(総務省統計局調べ2015年から2017年)ということも、同店にとって追い風になっているかもしれない。人気の『ねぎみそ煎』は宇都宮の『青源』の味噌を使うなど、地産地消の取り組みも進む。味の濃いモノが人気というあたりがいかにも北関東らしく、地域性を反映している。

◆ 売れ筋BEST 3◆

写真左から人気№1 ねぎみそ煎、2位 黒胡椒せん、3位 塩せんべい

◇米菓工房 和 工場直売店の概要 店の広さ=140㎡(42・4坪) 開設=1981年 お店の特徴 第26回全国菓子博広島大会で『一枚焼醤油』が名誉総裁賞(技術部門)、『極味焼』が金賞(主催者賞)を受賞するなど、高い技術力を誇る米菓工房和の直売店。ここでしか買えない商品をはじめ、半生や懐かしい駄菓子なども取り揃えている。