東北6県全域にネットワーク完成
準広域菓子専業卸の㈱関口(栃木県鹿沼市・関口快太郎社長)は去る9月6日、青森県黒石市内に“青森黒石センター”(菊地淳一センター長兼営業部長)を開設。東北5支店(郡山・仙台・盛岡・山形・秋田)に約400坪の物流倉庫を擁する同センターを加え、東北地区全域における地場問屋としての足場を固めることになった。
関口イズムの実現
同センターの強みは、何といってもその立地条件にある。県中央部を走る東北自動車道“黒石IC”直近に位置し、国道102号線(弘前市~十和田市)に面した北奥羽地区(青森、秋田、岩手)における陸路の要所となっている。
まさに関口の経営ビジョンである「毛細血管」論(細胞に栄養を与える毛細血管のように商圏内の全顧客にキメ細やかなサービス・卸業務を隅々まで提供すること)を展開するのに打って付けの拠点となるが、同センターを新設した理由は東北地区における卸業務の能率化と効率化、そして将来性である。
同県は、三方が海で囲まれたうえ、県中央部の南北に横たわる奥羽山脈が障壁となり、東側の南部地方(下北・三沢・八戸など)、西側の津軽地方(青森・弘前・五所川原など)に二分する複雑な地形をなしている。
同センター開設前は、隣接県にある盛岡支店と秋田支店がテリトリーからはみ出す形で青森県内の卸業務を担っていたが、昨今の輸送費高騰などが要因となり、東北地区における業務見直しを急ぐ必要性があった。
それを解消する一手が、今回の主人公“青森黒石センター”の新設だ。同センターの地の利を生かした卸業務は、東北地区における関口の経営ビジョンの実現、組織体制の強化・充実を図ることになった。
本州北端の卸業務を担うスタッフと菊地センター長(右端)
目標は高く! 業務は確実に!
現時点における同センターの業務は、津軽地方を中心とした地場産業のSMやDgSを取引先としており、今後、県内全域に商圏を広げることを計画している。
関口では、2032年までの中期事業計画として、東北地区の旗艦店といえる仙台支店(大野周男常務取締役・仙台支店長)を中心にした東北地区全体で売上高150億円を目標にしている。関口社長が「向こう3年のうちに目標値を達成したい」と意欲を示すとおり、東北地区に対して並々ならぬ期待を寄せている。
それに応えるかの如く、菊地センター長は「今は、日々の業務を確実に行うことに努めている。今後の展望は、未開拓の南部地方をはじめ、青森県内全域に取引先を増やすなど、目標を高く持って努力したい」と意気込みを話した。
少子高齢化・過疎化の進展が著しい東北の地であるが、関口社長は「変わらぬシェアをきっちり抑えることが重要。大手卸のやらないこと・できないことを、私どもはやる・できる。メーカーの商品を幅広く届け、地場問屋としての社会的役割を確実に果たしたい」と力強く語った。
この意味からも、菊地センター長を含む青森黒石センターのスタッフ全員が力を合わせ、“取引先の痒い所に手が届くような顧客ファーストの精神”で卸業務に励み、地場産業の発展、ひいては、地域活性化の一翼を担えるよう期待して止まない。
商品が満載された広大な物流倉庫