三幸製菓、新・良品廉価へのアプローチ!!

 三幸製菓の秋冬向け新製品がにぎやかだ。アイテムの数も多いが、既存ブランドの再構築や新しい試みが随所にみられる。

 8月30日に発売される『マイバル サワークリーム&ビーフ』と『同ガーリック&シュリンプ』(各6袋=84g、Npp=参考小売価格200円・税別)は、洋風居酒屋BARでの定番メニューの味わいを米菓で表現した宅飲みアイテムだ。小丸サイズの薄焼せんべいとあられが、それぞれに味付けされミックスされて個装に。せんべいとあられの食感の違いと、味付けの違いで飽きない作り。パッケージもチェック柄で米菓らしい和のイメージはない。

 一方、9月6日発売の『チャック 堅焼きミックス』(263g、同450円)は、米菓好き対象の大容量アイテム。『黒大豆せんべい』(塩と醤油の2種)、『ひとくち胡麻せんべい』『ざらめせんべい』の4種が無選別で入っている。

13日には期間限定の『濃厚 めんたい気分』(20枚、同200円)と、『油で揚げない黒糖かりんとう』(5袋=93g、同200円)が発売される。前者は濃厚シリーズの定番『チーズ気分』『じゃこ気分』に対する限定味。自宅でカフェ気分を、というコンセプトで楽しませる濃厚な明太子バター味。

後者は好調なかりんとうの新たな試みだ。ポイントは〝揚げないかりんとう〟。同社の『黒糖ミルクかりんとう』比で75%の脂質をカット!甘いものは食べたいがカロリーが気になる…との葛藤解消。国内製造の小麦粉生地には、黒ごま、きな粉、アーモンドの3素材が練りこまれ、濃厚な黒糖蜜での仕上げ。先口で濃厚さを感じるが切れが良い。また、8月9日には期間限定で『雪の宿ミルクかりんとう 2種の栗味』(5袋=100ℊ、同200円)が発売されており、こちらは和栗モンブランとマロングラッセの味わいが楽しめる。

 同20日には同社の看板製品である『雪の宿』『ぱりんこ』に次ぐロングセラー『おかき餅』をリニューアルした『おかき餅 青のりとごま』(14枚、同200円)と『同アーモンドと黒大豆』『同エビと昆布』の3品がシリーズとなって同時に発売される。

従来の製品は昔ながらのなまこ餅を切った「かきもち」の形態で、中心部に青のりなどの素材、外側を餅生地という独特な2重構造の生地だが、今回のリニューアルでは食べやすいスティック状の筏もち風に変わった。

「今春発売した『三幸の揚げせん』のスティク形状が好評なこともあって、手を汚さずに食べられる要素を『おかき餅』にも応用することにした」(同社営業管理部)という。この『揚げせん』の好感ポイントは、揚げの油が指先に付くことを気にせず食べられること。個装紙の上部を開けて、中身を出しながら食べられるストレスフリーが注目された。

また、今回の『おかき餅』のリニューアルでは、生地や食感は変えず、スリムになった分、本数を12枚から14枚と増やして、従来の内容量を担保した。ロングセラーの大幅なリニューアルは、諸刃の剣ではないが、各社頭を悩んすところだが、同社では、上級アイテムの『ぜいたくかきも餅』もリニューアルし、また海老と昆布のアイテムも加えて、新たなシリーズに生まれかわらせた。内容量は変わらないが、慶所のスリム化から2枚の〝増量〟は、消費者にはお得感があり、同社の「良品廉価」の新しい切り口なのかもしれない。

このほか、ハロウィン対応の大袋『雪の宿 チーズアーモンドのいたずら』(197g、同400円)を8月23日から発売。『雪の宿』と『チーズアーモンド』という自社ブランドのコラボで、上がけの蜜に『チーズアーモンド』のチーズとチョコ味をかけた2味アソート。また、ロープライスマーケットでも強みを発揮する『三幸のサラダせん』(赤穂の天塩使用、18枚、同150円=以下同)のシリーズ『醤油せん』(昆布と鰹の旨み)『海老せん』の3品も、味わいの違いの訴求力を強めたデザインに変更され9月から順次差し替え中だ。