夏目製菓 待望の新製品『黒糖コロ丸くん』

見た目は可愛くても美味しさは本格派

 かりんとう専業メーカーで「本物志向」の美味しさで知られる夏目製菓(丸地和也社長、愛知・豊橋、創業1945年)はこのほど、新製品『黒糖コロ丸くん』(写真、90g。NPP・実勢価格150円前後)を発表した。丸地社長に新製品に込めた思いをきいた。

 本紙 新製品『黒糖コロ丸くん』の売れ行きが好調ですね。夏目製菓としても待望久しい新製品となります。

 丸地 お蔭さまで発売開始以来、多くの引き合いをいただいています。

生産が追いつかないほどです。新製品の特長は、何といっても奥深いコクのある美味しさです。その秘訣は黒糖蜜に沖縄県産「西表」黒糖も使用している点にあります。

 ――じつに味わい深いコクがありますね。本当に病みつきになりそうな美味しさです。

 丸地 本当に美味しいかりんとうを作るためには、素材や油の温度、黒糖の風味の三つが何よりも大切になります。かりんとうは一見すると地味なお菓子に映りますが、その作り方はじつに奥深いのです。そこには多くの手間と菓子職人の技術が注ぎ込まれています。温度管理や時間の管理はもちろんのこと、数字では表しきれない経験なども含めて、それらすべてがうまく融合して、初めて「一つの菓子」として成立するわけです。

 ――生地や揚げ方にも徹底したこだわりが隠されているようですね。

 丸地 この『黒糖コロ丸くん』の生地には胡麻と小麦胚芽を練り込ませてあります。それを熟練の職人が丹精込めて「三度揚げ」しています。温度の違う油で三回揚げることで、生地が柔らかくなり食感もより一層良くなります。そして中心部までしっかり火が通っても硬くならない。つまり「外がカリッとしていても中は柔らかい」というかりんとう独特の食感を出すための方法です。

 また製品の油分を調整して生地に適当な食感と旨味を出す工程でもあります。たとえて言うと、魚を骨ごと食べられるようにする調理法と同じです。これが三度揚げの技術です…

(続きは5502号5面へ)

■丸地和也(まるち・かずや)

 1951年生まれ。法政大学卒業後、夏目製菓入社。1987年に先代の父・稔氏より三代目社長を引き継ぐ。品質を最重要視する観点とこれまで培ってきた製菓職人のノウハウを形にする必要性から、2006年、業界に先駆けて品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」の認証を取得した。