「毛細血管」施策で生き抜く㈱関口の充実

東北の「要」郡山支店にスポット!

昨年に入手、11月16日に移転した郡山支店は敷地約1600坪。

問屋は「毛細血管」

 

 準広域卸・関口(関口快太郎社長・栃木県鹿沼市)の2支店が、昨秋にリニューアルされた。10月の長野、松本支店(長野県塩尻市)に続き、11月には福島の郡山支店(福島県郡山市富久山町)が規模を倍増し移転した。

 関口の経営理念の核の1つが「毛細血管」論である。地場問屋として、地域の顧客や消費者に商品やサービスを円滑に届けるには、キメ細やかな働きが必要だ。その機能を、細胞の一つ一つに栄養を運ぶ「毛細血管」に譬えているのである。

 少子高齢化や人口減少が焦眉の課題だが、近年関口の業績をけん引しているのが、東北の5支店だ。北から盛岡、秋田、仙台、山形そして郡山の5支店で、青森を含む東北6県をカバーしている。

 その東北の支店第1号が郡山だ。昨年11月に地元菓子メーカーの三万石から、1600坪の敷地をもつ事務所と倉庫を取得し移転した。

 「長年諸先輩が働き、築いてきた事務所の移転は、一抹の寂しさもあったが、近年は手狭感が問題になっていたので、モチベーションは大いに高まった」とは大野周男支店長。この4月、仙台の清野幹夫氏の後を受け、常務取締役に就任した。

倉庫500坪、2階建て事務所が100坪。敷地700坪の旧支店の倍以上の規模になった

業績急伸の郡山は東北の要。昨秋11月16日に移転。スタッフと大野支店長(後列中央)

 


東北の売上伸長を!

 

 郡山市は福島の県央に位置し、北辺の行政都市福島市に対し、県経済を担う商業都市として栄えてきた。東北道が通う中通りの中核都市だ。東北の玄関であり県央の郡山支店は、大平洋岸沿いの浜通りのいわき市と西の会津、北の福島市を繋ぐ高速道の十字路という地勢上の利点をもつ。

 福島の商圏は広い。「県内4つのエリアに地道な開拓、掘り起こしをおこなってきたことが奏功し、県内の有力SMとの取引開始や、手薄だった北エリアの問屋との提携再開など、新たな取り組みが実現できた」(同)関口の商品調達力と品揃え、そして毛細血管の働きによる目覚ましい成果だ…

(続きは2021年春季特別号34頁へ)

長野の拠点も統合!



郡山に先立ち、昨年10月12日にスタートを切った松本支店(写真右・岩垂素弘支店長)。長年活動してきた長野支店を統合し、県央で地の利のある松本が拠点になった