『ぼんち揚』60周年記念
関西では誰もが知る揚げせんべい『ぼんち揚』。今年、発売60周年を迎えた。数少ない戦前派の米菓メーカー・ぼんち(1933年創業、大阪市)の主力ブランドである。そのアニバーサリーを記念し、同社の遠藤純民社長にインタビューした。(全2回)
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通年で“還暦祝い”!
「『ぼんち揚』が60周年を迎えられたのは、長い間愛し続け、ご購入し続けてくれたお客様のおかげです。もう感謝の気持ちでいっぱいですね!」。開口一番、遠藤社長は話す。
「ぼんち株式会社」は1933年、現在の東京都新宿区に「中央軒」として誕生した。1939年に大阪工場を新設したが、戦中に焼失してしまった。新たに工場を建設して製菓を再開、戦後1952年に「株式会社中央軒」を設立した。現在の大阪本社であられの製造を再開し、1960年に揚げせんべい『揚小丸』を発売、1963年にそれを改良した『ぼんち揚』(写真①)が登場した。その大ヒットを受けて、1969年に社名を「ぼんちあられ株式会社」、1984年に現在名に変更、今日では『ぼんち揚』を中心に多彩なNB製品を展開している。
「『ぼんち揚』の前身である『揚小丸』発売から数えて発売60周年。人間に喩えるならば還暦にあたります。当社は、2020年4月から2021年3月までの第69期を“ぼんち揚の還暦のアニバーサリー・イヤー”と位置付け、通年で“還暦祝い”をすることにしました」。
今年4月、60周年記念ロゴの入った『ぼんち揚』(写真②)や感謝の気持ちを込めた20%増量企画品を発売した。3年前にスタートさせたイベントの開催を通じて消費者とのロイヤリティ構築を一層強化する予定だったが、コロナ禍の影響により多くの施策は方針転換をせざるを得なかった。
「準備は一昨年から始めていました。2018年に東京・渋谷で初めてファンミーティングを開催し、イメージキャラクター『ぼんちネコ』(写真③)を隊長とする『ぼんち揚×2(あげあげ)隊』を結成しました。2019年にぼんちネコのダンスをみんなで踊って広めるダンスパーティーを東京と大阪の2会場で開催しました。今年もぼんちネコを中心にみんなで楽しめるイベントを考えていたのですが、コロナ禍で頓挫してしまいました…」。
この秋からはぼんちネコを使ったSNSを通じたコミュニケーション強化を図っている。ほぼ毎日のようにTwitterで情報を発信し、消費者との関係を深めることに力を注ぐ。また、今年10月に60周年記念品『ぼんち揚松茸土瓶蒸し味』(写真④)を期間限定で発売した。
「人間の還暦だったら赤いちゃんちゃんこなのですが、ブランドの還暦なので『ぼんち揚 松茸土瓶蒸し味』を金色のパッケージにしました。松茸のフレーバーと合わせてプレミアム感のあるアイテムとなっています」。
(続く)
【次号後編】 そして70周年へ!
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写真②
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写真①
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写真④
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写真③