新型コロナウイルスの感染拡大から、国内の多くの食品産業は今年、厳しい状況に追い込まれている。この苦境を打開するために、さまざまな知恵が絞られ、応援施策が試みられている。
▲特設コーナーで阿部幸明氏(左)と寺尾庄司氏
11月1日から8日、銀座ロフトで「にいがた食品産業応援プロジェクト委員会」が、新潟米にまつわるコンセプトショップ「WITH RICE SHOP」を開いた。委員会の主体は、米どころ新潟の酒造や醸造そして製菓メーカーなどで、イベントやブランディングなどを手掛ける企画会社ネルニード(三条市)が協力。
米菓メーカーでは、阿部幸製菓(小千谷市)の阿部幸明専務の肝いりでこの秋にスタートした『絆プロジェクト』の県内3メーカー(小千谷市=阿部幸製菓、竹内製菓、新発田市=さくら製菓)が出展し、それぞれ代表製品をアピール。この出展にはネルニードとさくら製菓の寺尾庄司氏(取締役統括部長)とのコネクションが役に立った。
銀座ロフト1階入口脇、カフェ&フードエリアに設けられた特設コーナーには、米にまつわる発酵食品・肉味噌など約40品、米菓・ラスク・甘酒など約60品が勢揃いし、多くの客の注目を浴びた。
オープン3日目の文化の日には、女性芸人の友近(mizutanichieko名)が訪れ、インスタグラムで紹介された。「翌日には2万件を超える“いいね”があった。30万人以上のフォロワーを持つ友近さんが、我われの製品を試食しながら、楽しく紹介してくれた」と語るのは寺尾氏だ。「こうした出展は実売以上に意味がある。銀座という情報発信力のある場所、友近さんのような影響力のある人の目にとまったのも良かった」と、阿部氏も手ごたえを語った。
特設コーナーでは『絆プロジェクト』の柿の種ミックス3種と、阿部幸製菓の『かきたね』シリーズ7種(ブラックとカラー)が柱ボードに大きくレイアウトされ、目を引いた(写真下)。新潟といえばやはり「柿の種」だ。
各社の販売コーナーでは、竹内製菓が『極上柿の種』や『越のくちどけ餅』など、阿部幸製菓では『かきたね』の他『柿の種のオイル漬け』や『新潟ベジタブル』のスープ類を、さくら製菓は揚げせんの『さくらチップス』やフルーツを使った『ライスクラッカー』などを展示販売した。