輪を成し、和をもたらす 新生「アダチ製菓」誕生 

足立道泰社長にきく

 岐阜・各務原市を拠点に、創業から今日まで、和菓子メーカーとして卓越した技術力と創造的な製品開発力で知られてきたアダチ製菓。この9月1日に製造を手掛ける足立産業と販売を担う足立食品のグループ会社が念願の合併を果たして生まれた会社だ。2005年に社長として就任して以来、時代に即した和菓子のあり方を探求してきた足立道泰社長に合併の狙いや将来ビジョンなどをきいた。

伝統と挑戦の連続 合併の真の狙いは

 

 -新生アダチ製菓がいよいよ動き出しましたね。

 足立 弊社はもともと1948年(昭和23年)に初代の足立恒頼が水飴製造業として創業した会社です。株式会社(足立製飴所)として法人化したのは1953年です。当初は甘薯澱粉を糖化した水飴の原料製造からスタートしましたが、競争力低下の影響を受け、菓子製造に転じ、寒天ゼリーをはじめ、最中、大福と本格的な和菓子製造業へと業態を広げてきました。当時から大切に捉えてきた『人を想う純粋な心』や『本物志向にこだわった企業精神』を求めてきた結果が現在のカタチとなりました。

 -合併で相乗効果が期待されます。

 足立 会社が発展を遂げていく過程で、製造を手掛ける「足立産業」と販売の「足立食品」とに分社化して、効率よく経営を進めてきましたが、私が2005年に三代目の社長に就任して以来、激しく変化する時代の中で、お客さまのニーズをより正しく掴み、素早く対応していくことがそれまで以上に求められるようになりました。

 そうした中で、否が応でも新しい時代の一歩を踏み出さなくてはならなかった。今回の「合併」はその改革のための大きなきっかけだと位置づけています。自社商品のさらなる品質向上を通じた「ブランド力の強化」や商品企画から製造・販売を一貫して進めるための組織体制の強化、さらには内部取引の一本化を通じた業務の効率化などが主な狙いです。

 -社員の方々は合併をどのように受け止めたでしょうか。

 足立 もともと両社の間には障壁がなく、円滑なコミュニケーションが取れていたので、皆が合併を「前向きな変化」だと捉えて、連帯感が一層強まり、士気高揚につながったと感じています…

 

【続きは5478号5面へ】