富士通Japanの統合基幹業務アプリケーション『GLOVIA きらら』

富士通Japan株式会社 ビジネスパートナー本部 ビジネス推進統括部GLOVIA&サービスビジネス推進部  部長 上田和弘 氏にきく

 お菓子業界は中小中堅企業が圧倒的多数を占める。その経営基盤の強化は必至だ。特に古い商慣行が伝統的に根強く残る卸問屋の世界で経営合理化や生産性向上を遂げるのは容易ではない。そうした中で、2019年の中堅・中小企業のITアプリケーションの利用調査で、国内市場トップシェアを誇る富士通Japanの統合業務ソリューション『GLOVIA きらら 販売/iZ 販売』(以下、GLOVIA)に熱い視線が集まっている。同製品の提供を通じて「日本のお菓子産業をより強くしたい」と語る上田和弘部長にその導入メリットをきく。

 –ICT企業としての眼でみた場合、お菓子業界はどのように映りますか。

 上田 日本のお菓子業界はよく「景気に左右されにくい安定した業種」と言われていますが、その中身をよく見ますと、制度疲労のような根深い問題がいくつか存在する気がします。特に卸問屋の業界においては、以前から経営スタイルをより高度化できる余地が大きいと感じていました。

 –『GLOVIA』の特長とは?

 上田 大きく分けると3つの特長があります。1つめは汎用性の高さです。この製品はお菓子業界に特化したものではありませんが、基幹業務を効率よく進める上では充分ご満足がいく内容だと思います。

 とはいえ、お客さまの業態やご要望に応じて、カスタマイズすることも可能です。また柔軟な導入形態が選べるように、この『GLOVIA』には2種類の導入形態があることです。1つはお客さまにサーバーを用意していただき、お客さまの「所有物」として自社で運用管理するもの。いわゆるオンプレミス型と呼ばれるタイプです。

 もう1つはクラウド型のものです。お客さまが所有しないで、クラウドによるサービスを使って運用するものです。

 2つめの特長は基幹業務の一つひとつをデータで連携して統合的に一元管理できる点です。しかもリアルタイムで連携データを読み取れるので、現場で起きがちな、例えば「二重入力」のような手間も省ける。きわめて効率的です。

 3つめは環境変化にもしっかり対応するシステムであるという点です。昨今の事例でいうと、消費税の税率アップが各種の基幹システムに大きな影響を与えました。そういう改正の場合、どうしてもシステムを一部改良しないとなりません。導入企業ではこれが負担となります。『GLOVIA』の場合、こうした負担がかからないよう、柔軟に対応できる仕組みです。

 

 長く使えるのも魅力

 

 –他に特長はありますか。 

 上田 当社としてはこの『GLOVIA』を少しでも長く使っていただきたいと考えています。先ほどから「カスタマイズ」という言葉を使ってきましたが、実はこれが導入企業にとっては厄介な「曲者」になる場合が多いのです。というのも、これは中小企業によく見られるケースなのですが、業務改善のためのシステムなどを導入する場合、それ相当の「強い決意と覚悟」をもって投資するわけです。

 ところがシステムをあまりにもカスタマイズしすぎてしまうと、今度は消費税の改正などに柔軟に対応できなくなってしまう。そこでプラットフォームに関わる基幹部分を改善する必要が出てきます。この改善コストが結構な負担になるわけです。こうした「痛い目」に合うと、新しいシステムを導入する際の「躊躇する動機」を与えてしまい、結局システム自体が古くなり、当初めざした業務改善の道が遠のいてしまう。こういうパターンが実に多いのです。

 –『GLOVIA』は違うのですか。

 上田 『GLOVIA』を導入されたお客さまも「カスタマイズして欲しい」という要望はあります。しかし『GLOVIA』の場合、パッケージの基本機能にバージョンアップに追従できる仕組みを備えています。ここが商品コンセプトでもあります。こうしたシステムを自社導入する場合、リース契約の更新のたびに掛かるコストは中小企業にとっては大変な負担です。当社としてはそういう負担をできる限り軽減させたいという思いの下で、この『GLOVIA』を開発した経緯があるのです。

 

 効率経営間違いなし!

 

 また、お客さまの企業成長に合わせたシステム拡張も容易です。お菓子業界を見ると、特に受発注業務はいまだにFAXであったり、手作業でしているところが多いように思います。この『GLOVIA』導入でそれが改善できます。またインターネットを利用したメーカーと卸向けのeコマースサービスで、業界標準の「eお菓子ネット」につながることができることも大きな特長です。そこでやり取りしたデータを『GLOVIA』で取り込むことができる機能も持たせているからです。

 –導入された企業の声はいかがですか。

 上田 お菓子業界の特色は「比較的単価の低い商品を大量に捌く」という点に集約されると思います。そのため出荷から在庫に至るまでのあらゆる業務が煩雑で処理量も大変です。『GLOVIA』を導入すれば、この業務負担は相当に軽減できます。またトレーサビリティへの対応も楽になるでしょう。個人的には「地域に根づいた菓子卸さん」がいちばん導入のメリットを感じるのではないかと思っています。

 何れにしても、これまで主流だった「手組み」によるシステム構築とはまったく違う新しい世界が『GLOVIA』導入で見えてくるものと確信しています。少しでも多くのお菓子業界の方々にその存在を知ってもらいたいと思っています。また日本のお菓子産業の「底力」がさらに強くなるように全国の富士通パートナー企業とともに後押しさせていただきたいと考えます。