久保田製菓、技術と努力でリアルなおいしさ!

 菓子博で名誉総裁賞受賞の『みたらし餅』はじめ、数々の受賞歴を持つ久保田製菓(長野県飯田市・久保田栄一社長)は、近年は『大福』や『草もち』など伝統的なテイストに止まらない、意欲的なチャレンジでも注目されるメーカーだ。

 近年のヒット『あんころ餅』や、意外性でも話題になった『もちもちラムネ餅』『塩レモン大福』、また、コーヒーとあんこという取り合わせの『小倉あんころCoffe』のミスマッチ的なおいしさでは度肝を抜いた。

 今秋10月1日発売予定の『ショコラ餅』(写真、8個、参考小売価格220円・税別)も、そうした同社のチャレンジの一つである。自社調整したチョコレートクリーム(生クリーム5%入り)を、もちもち食感の牛皮餅で包み、表面をみっしりとココアで覆っている。大きさは約3センチほど。ひと口サイズだが、ココアを纏ったお餅の食感と、ミルクリッチなチョコクリームが、相乗して醸し出す濃厚さが印象的だ。小さな1粒が十分な満足感を与えてくれる。

 「この製品はチョコを内製化した点と、ココアのまぶし機を新たに導入してできた。以前の機械では仕上げのまぶし付ける工程で、ココアの粉が工場内に舞って、他の製品作りに支障がでるということから、思い切って新しい設備に切り替えた」(久保田社長)

 その努力もあって作り上げた自信作。しかし、現下のコロナ禍で、営業が思うようにできないのが悩みである。

 「チョコレートを使った製品は過去にもあったが、今回の製品は息長く売っていきたい」(同)

 苦労して作った会心作である。物つくりの思いが滲む言葉だ。