千客万来! お菓子の交差点 フルタ製菓取締役 東京・北関東支店 統括支店長 山口 享 さん

幸せなお菓子人生! 夢の世界一周旅行へ

 フルタ製菓(本社・大阪市)の取締役で現在、東京・北関東支店の統括支店長の山口享さんは、その実直な人柄と独特のユーモアでお菓子業界ではつとに知られた有名人だ。本人は謙遜するが、山口さんを慕う人は会社の内外を問わず大変に多い。その山口さんがこの6月で定年退職を迎えることになった。山口さんが大学を卒業後、フルタ製菓に入社したのは1973年(昭和48年)ののこと。オイルショック前で日本が高度経済成長を謳歌していた時代。当時はフルタ製菓のみならずあらゆるお菓子が飛ぶように売れたという。

 「あの頃は問屋の力が強くて、今とは大違い。幸い、私は多くの問屋さんの社長さんに可愛がられ、私の『商いの道』はそこで育まれました。お菓子人生の原点です」。

 いまは売上から在庫までが数値化されるなど、昔と違ってお菓子ビジネスの近代化は相当進んできているが、山口さんはそこにある戒めを忘れない。それは人情であり、お菓子を求めるお客さまへの熱い思いだ。

 「20歳代の鼻たれ小僧の頃ですよ。周りはそれこそ功成り名を遂げた大先輩ばかり。せめて外見だけは貫禄をつけようと思い、スーツはダブルで髪はオールバックにしたのです。以来、それが私のトレードマークになりました」と笑う。

 山口さんの部下思いのエピソードは事欠かないが、その一つが部下の昇進や結婚などの節目に贈る特注のオーダーのワイシャツ。これまで何十枚と贈ってきた。そんな山口さんの夢は奥さまとの船旅での世界一周旅行…

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