グローバル戦略について語る
日本の龍角散から世界のRYUKAKUSANへ(最終回)
③ 変遷に柔軟に対応
日本の医療制度について、藤井社長は「レベル的・技術的には世界最高レベルにある」と強調する。
「中国などの周辺国は、必ずや日本の技術や医療が必要になってくる。業界としても、どうやって周辺国に貢献するかを考え、タイムリーに手を打つことが大事。日本の医療は財産であり資源。国際的にどんどん有効活用していくべきだ」と提言する。
お菓子にも、機能性を謳う製品が多い。口にする物であるからこそ、安全な物を食べてもらいたい。「日本のお菓子は安全だということを上手くアピールできれば、将来はそう暗くない」と藤井社長はみている…
④“二刀流”の決断
昨年3月に、「かなり大きな決断をした。実は今期は12億円ほど売上げが落ちてもおかしくなかった」と藤井社長は打ち明ける。医療用医薬品から撤退したのだ。
「かれこれ35年くらいやっていたが、もう限界だった。世界で最も安定しているといっても過言ではない財源は日本の公的医療だが、働き盛りの世代が一番お金を取られている。これ以上、保険料を上げるとますます負担が増える。そうしないために、今度は薬の値段を下げることになる」。
その矛先は、ジェネリックに向けられる。
「特許切れの薬だからいいだろうと言われても、限度がある。最低薬価は5.7円。当社ののど飴よりも安い。そんな薬を信用できるか? という話になる。それでも足りないので、昼夜24時間運転で必死になって作った」…
【続きは5457号3面へ】