井桁堂創業者で現会長の服部幸三氏へのインタビュー。前回では井桁堂とアーモンドの出逢い、看板ブランド「アーモンドライフ」に込められた思いを中心にきいた。連載2回目は、会長がこれまで培った経営哲学や独自のマーケット理論などにもとづいた井桁堂の「ぶれない姿勢」をきく。
アーモンドは井桁堂の専売特許だ!
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本紙 世界中で起きているアーモンドブームは井桁堂にとっても大きな追い風となりますね。
服部 アーモンドのもつさまざまな効能をここで詳細に述べないが、アーモンドがきわめて優れた健康食材であることはもはや疑う余地はない。そこでアーモンドの美味しさや良さをさらに際立たせるために、新工場では「直火焙煎製法」を取り入れる。香りが引き立ち一層美味しくなる。
――井桁堂さんは「流通」と「直売」の二つの柱をもった経営スタイルです。この強みとは。
服部 菓子メーカーの経営者はみんな似たようなところがあり、自分で作ったものは自分で売りたいと考える。しかし、俳優にあてはめると、舞台(直売店)と映画(流通)とでは「演じ方」がまったく違う。
――面白い比喩です。
服部 直売と流通のどちらも順調にいけば経営も楽になるだろうが、お菓子と違い、そんな甘くはない。直売はBtoCの世界で、流通や卸に売るのがBtoBだ。違いはあっても肝心なのはマーケットの変化に気づき、それに的確に対応していくこと。BtoBの世界とは結局「お客さまの都合」次第なのだ。お客さまが「もう要らないよ」と言えば、そこで一巻の終わりとなってしまう。
一方のBtoCは「自分で作ったものを自分で売る」わけだから、ある程度の販売フィールドは確保される。当社でいうと『名古屋ふらんす』がそれにあたる。いま直営店2店舗と名古屋栄三越店での販売だが、今後は多店舗化していく…
【続きは5455号6面へ】
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写真・東京進出の戦略ブランド「アーモンドマイスター」