東京カリント、メープル味のかりん糖とドーナツ新投入

 かりん糖のTOPメーカー、東京カリントによるこの春の新製品投入の第2弾(3月9日出荷)はかりんとうとドーナツの2品。どちらも健康志向の高まりを受けて、近年人気のカナダ産メープルシロップを使っている点が最大の「売り」だ。

 『90gメープルかりんとう』(写真、NPP=参考小売価格220円・税別)は東カリとしても初めての挑戦となる味。メープル自体やさしい味と香りで「強烈な個性」を持っているわけではないので、かりんとうの生地に練り込むとその個性が埋没してしまう。開発チームが試行錯誤を重ねた結果、キャラメル蜜がその「補い手」として効果があることを突き止めた。

 チャック付きパッケージを開けると、仄かにメープルシロップの甘い香りが漂ってくるものの、いざ頬ばってみると、その味はさほど際立ってはこない。しかし、何度か咀嚼していくうちにジワジワとその甘い味が口の中に染みわたってくる。キャラメルソース効果によるコクもしっかり載せている。このあたり、お口にほどける僅かな時間の「物語性」は東カリならではの熟練技。その意味では「よく練られた(考えぬかれた)生地」の成果といえる。食感もカリッとしていてかりん糖らしい。

 パッケージデザインは紅葉したカエデ(メープルリーフ=国旗にも使われているカナダの象徴)を全面に強調、何やら秋の雰囲気を感じさせる。同社によれば「少しでも大人っぽい印象を醸し出したかった」とのこと。チャック付きパッケージにしたのも「時代の要請に応じた」と話す。

 もう一つは『170gメープルミニケーキドーナツ』(NPP=同330円)。個包装なので、必要な分だけ取り出せてシェアもしやすい。こちらは袋を開けた瞬間にふわっとメープルシロップ独特のやさしい甘い香りが立ってくる。食感もしっとりと柔らかい。ミニサイズなので女性にも食べやすい。こちらもメープルリーフを基調とした落ち着いたイメージのパッケージデザイン。

 メープルシロップは、近年の科学的な根拠から「カラダにやさしい甘味料」として評価は高まるばかり。今回メープル味の新製品2点を投入したきっかけの一つは、菓子卸サイドから「東京カリントさんにぜひ『メープル味のもの』を作ってほしい」との声を受けたことにある。どちらも「会心の出来映え」(同社)でその筋からの評判も良いという。

 今回紹介した2つの新製品は、2月25日出荷の『80gふわり黒糖かりんとう』と『トロビカルフルーツドーナツ』と共通したコンセプトをもつ。いずれも「お子さまからお年寄りまで」という幅広い購買ターゲット層を狙った点だ。加えて近年の、少々割高でも美味しくて品質の良いものを食べたいというニーズの掘り起こしを「意識した」(同社)。新製品すべてが全チャネルで販売。