営業最前線 亀田製菓グループ 株式会社 日新製菓 営業部 東京営業所 部長 佐藤 恭平氏(61歳)〈前編〉

昨春のリニューアルと成長

 亀田製菓子会社の日新製菓は、栃木県宇都宮市に拠点を置き、グループ内で独自の存在感を放つ。看板の『ふくべ煎』は関東流ソフトの代表製品だ。同社は今年創立50周年。昨春に『ふくべ煎』の大幅ブラッシュアップに併せ、強い個性を持つ新製品『漆濃』や『大豆ごこち』も発売。またロングラン商品の『ねぎみそ煎』など既存製品も、好調な動きを見せている。

 会社創立から半世紀。大きな節目を迎えるにあたり、杉本清孝社長は2018年から2020年の3カ年の中期計画を策定し、節目となる今年20年に向け、製品施策を見直し、新たなスタートの起点となる製品4品を昨春に発売した。

 「ブラッシュアップした『ふくべ煎』では、基本部分から研究し直した。数年前のリニューアルが上手くいかなかったこともあり、その経験をもとに、厚い生地のヘリの角が立っているのが本来の『ふくべ煎』だと教えられたことから、どう角を再現するのか、また、生地のふっくら感をより強めるには…など、根本から見直した。デザインでも昔の形を参考に変更した。栃木県産米の100%使用を訴え、使う素材や特徴を示すアイコンタクトを入れたり…」と、製品特徴を前面に押し出すデザイン変更など、いわば原点回帰の経緯を佐藤部長は語る。

 2004年に亀田製菓のグループの一員となった日新の立ち位置は、大量生産、大量販売の亀田製菓とは違う。資本提携後の15年間、正直、日新の長所や特性を発揮できてこなかったが、昨年春の新4アイテム発売後、その評判は徐々に広まり、時に生産が間に合わなくなりそうな局面もあったという。山が動き出したのである…

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