業界の女神(アテナ)たち 後藤綾子カルビー株式会社執行役員

セールス&マーケティングカンパニー 東日本営業本部 本部長

第1回(全3回)

 ギリシャ神話の女神アテナは、知恵・芸術・工芸・戦略を司る女神にして、古代英雄たちの守護神であった。その姿は、現在の企業社会においてリーダーシップを発揮する女性達と重なる。新シリーズ「業界の女神(アテナ)たち」では、お菓子業界の様々なカテゴリーで切磋琢磨されてきた女性にスポットを当てる。

魂を入れ、納得して働く

 

 スナック菓子のトップメーカーで重職を担う後藤さんは、ダイバーシティ推進の取組みをスタート以来、役職登用され活躍、今日までどのように道を切り拓き歩んできたのだろうか。お話を伺うと、それほど気負いはなかったようだ。

 後藤さんは、1995年にカルビーに入社。広域販売部で営業を7年ほど務めた後は、社長秘書(2002年。当時の社長は故・松尾雅彦氏)、初代ダイバーシティ委員長(2010年)、広報部長(2012年)、コーポレートコミュニケーション本部長(2014年)、北海道事業本部長(2017年)などを歴任し、今年4月にセールス&マーケティングカンパニー東日本営業本部長に就任した。

 前職では、札幌に単身赴任していた。北海道は、カルビーにとって第2の故郷。創業の地は広島だが、馬鈴しょがないとポテトチップスは作れない。原料調達地という以上に、カルビーは北海道の農業振興に深く関わってきた経緯もあり、巷では、「カルビー=北海道」というイメージが定着しているほど。

 「そういう意味では、北海道に行けたのは有難かったです。夫がとても協力的で、度々愛犬を連れて来てくれました。単身赴任は大変だとよく言いますが、自分ひとりなので気楽だし、食べ物も美味しくて、人もいい。楽しかったですね。残された家族の方が、よっぽど大変だったと思います」と後藤さんは振り返る…

【続きは5441号4面へ】