「新・製品開発」のコンセプト 湖池屋

『罪なきからあげ』<前編>

 かつて一世を風靡した湖池屋のトレードマークは「丸池印のポテトチップス」だったが、いまは「元気印の湖池屋」だ。今年6月の決算では前期を大きく上回る好調ぶりを示した。その湖池屋がいま最も力を入れているのが 「スナック事業のさらなる進化」だ。そしてこの9月に誕生したのが新たな戦略製品『罪なきからあげ』である。大豆に由来したタンパク質を使ったまったく新しいジャンルのスナック。この新製品のもつ意味と製品そのものの魅力をマーケティングの立場で開発当初から関わった新井美彩課長にきいた。

唐揚げをスナックとして表現

 

 本紙 新井課長はもともとキリンビバレッジのマーケティング部門で活躍されました。2年前に、この『罪なきからあげ』開発プロジェクトが始まると同時に入社されたわけですね。

 新井 そうです。入社早々、このプロジェクトに関わらせていただきました。もともと私自身はタンパク質について強い興味を持っていて、このお話が舞い込んだときは「面白いプロジェクトになりそうだな」とは思いました。しかし一番熱い思いをもっていたのは、他ならぬ佐藤社長自身でした。何しろ相当前から「タンパク質を使った新しいジャンルの製品を作りたい」と話してたそうですから、それだけに期待も大きかったと思います。

 ――当初はどのようなイメージで製品の開発に当たったのでしょう。

 新井 原点回帰の意味を込めて私はスナックの本来的な意味をもう一度深耕してみたのです。するとあることが分かりました。つまり一般的にスナックというと、たいていは「お菓子のイメージ」がつきまとうのですが、そうではなくて、本来は「軽食」という意味があるのです。だとすれば開発する私たちも「お菓子」にこだわることなく、選択肢を広げながら考えることができるのではないかと思いました。何よりもこの新たな開発は「スナック菓子メーカーの湖池屋だからこそできるチャレンジになればよい」と私は直感したのです…  

【続きは5440号6面へ】