「新・製品開発」のコンセプト 三菱食品

『からだシフト』<前編>

 三菱食品は2017年9月、健康ブランド『食べるをかえる からだシフト』を立ち上げ、第1弾として『糖質コントロール』シリーズ14品目を発売した。売れ行きは同社が当初予想した以上となり、丸2年が経った今、同シリーズは全48品。ブランド全体では62品のラインナップとなった。健康志向が高まりを見せているとは言え、まさに快進撃。その開発経緯にアプローチする。

 

カロリーオフより糖質オフ

 

 食品問屋であることをベースに、社会的な生活者ニーズのあるものを提供したいという思いが根底にあった、とブランド戦略本部・商品企画第一グループマネージャー森川博昭氏(写真)は語る。超高齢化社会を迎え、平均寿命と健康寿命との差は10歳もあり、医療において治療より予防が注目される現在。健康食品市場は伸長し続け、約2兆円規模となった。健康な「からだ」は消費者自身がマネージメントする時代になったと言える。

 しかし健康食品は玉石混交で、カテゴリーに偏りがあり、品目も限られている。メーカー単独だと、数多くのカテゴリーを網羅しにくいのも一因だ。同社はメーカーでない点を強みにした。様々なメーカーと組み、広範なカテゴリーにわたって、パッケージを統一し、健康食品のブランドを立ち上げたのだ。

 コンセプトは、「おいしさ」「バラエティ感」「簡便性」「継続性」を主軸に、バランス良く普段の食生活をサポート。「健康食品はおいしくない・手間がかかる・価格が高い」といった先入観のある人に対しても、健康維持を訴求できる製品をメーカーと共同開発する。多種多様な食品ジャンルを揃えるだけでなく、常温から冷凍まで温度帯の異なる品も提供。販売は、スーパー・コンビニ・ドラッグストア・ECと多岐に展開し、いつでもどこでも色々買える健康ブランドを目指した…

 【続きは5438号5面へ】