日新製菓 新たなチャレンジ 連載第1回

2020年創立50周年&ふくべ煎発売開始40年

取り戻した匠の味と誇り~ 杉本社長にきく

杉本清孝日新製菓代表取締役社長

北関東を代表する米菓メーカーの日新製菓は来年で創立50周年を迎える。また看板製品の『ふくべ煎』は発売開始から40年となる。就任3年目となる社長の杉本清孝氏は親会社である亀田製菓で主に製造畑を歩んできた。大きな節目を迎えた日新を“亀田イズム”との融合を図りつつ、どのように日新製菓をリードし、ブランド力を高めようとするのか。日新製菓の「暖簾の香り」に、どのような進化を与えようとしているのか。今回から「日新製菓 新たなチャレンジ」と題し、3回のシリーズでお届けする。

本紙 就任早々、関東の競合他社の看板製品を軒並み試食されたそうですね。モノづくりの現場を歩んでこられた杉本社長ならではのエピソードで本気度を感じたものです。

杉本 亀田製菓に在籍していた時から抱いていた日新製菓のイメージは「味へのこだわりを追求して美味しい米菓をつくる会社」でした。試食は日新製菓の立ち位置を知る意味でも必要な作業でした。残念ながら、他の北関東メーカーに完全に負けていると感じました。私は何とかして「一世を風靡したかつての品質と味」を取り戻したいと考えました。一方で「復活は必ずできる」と信じることもできました。なぜなら当時から包装ラインと仕込みラインは大量生産型の大手にはできない小規模企業ならではの小ロットでこだわりの製品づくりに長けていたからです。「職人技」がしっかりと継承され、残っていたことも大きな可能性を感じさせられました。印象的なのは「じっくりと低温で乾燥させ煎餅に無理をさせない製法」です。あーなるほど、いや「日新の煎餅づくりはこうやって作るんだぁ」と感銘を受けた思い出があります…

【続きは5413号5面へ】