業界の女神(アテナ)たち PartⅡ 内山妙子カンロ株式会社執行役員 コーポレートコミュニケーション本部長 ②(全3回)

デザインは“引き算の発想”で

 

 カンロの『ピュレグミ』などは、女性の視点を反映させたお洒落なパッケージデザインもあって、若い女性に支持されている。

 「“分かりやすさ”と“お洒落”のせめぎ合いだと思うんですよね。基本的にデザインは、言いたい事を全て載せてしまうと、結局は何が言いたいのかが分からなくなってしまう。外部にデザインを委託する時は、『なるべく削ってください』とお願いします。引き算の発想ですね。それでも社内から追加されてしまうことはあるので、私はその調整役のようなところもありました」

 引き算だけでなく、細かい点にも配慮している。気付きにくいかもしれないが、看板製品の『ピュレグミ』『金のミルク』では、「カンロ」の企業名ロゴの位置を変えている。以前は、パッケージの上部に印刷しており、封を開けるとロゴの部分が切り離されてしまっていたが、『金のミルク』は2018年、『ピュレグミ』は2019年から、商品名のすぐ上にロゴを配置した。

 デザインや広告を委託する時、内山さんは相手との信頼関係をとても大切にしているという。

 「社外にもコネを持っておいて、本当に信頼できるパートナーと、どう付き合うかだと思うんです。やりたいことを10投げて、10返ってくるような所ではなく、オリエン通りに返して来ない所の方が、結果的にはいい。自分の限界もあるので、それを上回るような、もしくは違うと言ってくれる方が信頼できます」…

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